変化を厭わず学び続けよう - 『GE 巨人の復活 - シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦』を読んだ

『GE 巨人の復活 - シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦』を読んだ。
この本はビジネス書だけれどもエンジニアやデザイナー・プロダクトマネージャ、経営幹部にもぜひ読んでもらいたい本。
こちらの本も会社の人に勧められて読んだのだけれど、とても参考になった。感謝。

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本の内容だけれど、エンジニア界隈の話題を追っかけている人なら、「ああそんなの知ってるよ」ということが多く感じると思う。
シリコンバレーのディシプリンである「リーンスタートアップ」「デザイン思考」「アジャイル開発」についてはだいたい知っていた。アジャイル開発なんてエンジニアにとっては今や常識。
新たな気づきはそれほどなかったといえば嘘ではない。けれどGEについては自分にとってはあまり馴染みがなく、 古い企業だからどうせ古臭いやり方でやってるんだろ?SIerみたいな身動きが取りづらい枠組みでやっているんだろ?というように思っていたのが見事に打ち砕かれた。GEかなりモダン。

GEのすごいところは文化。
あれだけ大きい企業なのに、学ぶ文化・変化を厭わない文化があり、そのような文化的下地があったから、 抜本的に「シリコンバレーのディシプリン」のやり方に変えることに成功した。
経営トップは頭が凝り固まった人間ではなく、めちゃくちゃシリコンバレーのディシプリンを学んでいて、 今までのやり方を変えるという情熱と、変化を許容する文化があるからうまくいった。 そんなドデカイ企業なのに挑戦的な姿勢は多いに見習える。ほんとすごい。
文化は大事だな。自分も変化を厭わず絶えず学んでトライしていこう。

この本の内容は以下のとおり

プロローグ さらばウェルチ、過去と真逆に歩む
第1章 設立125年のスタートアップ
第2章 GEデジタルはこうして生まれた
第3章 目指すはエアビーとウーバー
第4章 アイデアはデザイン思考で育む
第5章 グーグルそっくりのPredix
第6章 デジタルで製造現場も変わる
第7章 失敗が心地よい企業へ
おわりに

GEは産業機械で圧倒的なシェアがあり、それらの機械にセンサーを取り付けてそれらのビッグデータを分析するプラットフォームのPredixというのをサブスクリプション型で提供している。IoTとビッグデータという、アツい分野。
また機械の製造の分野でも、工場の自動化の導入・データ分析、3Dプリンタによる素早いプロトタイプの開発など面白いことをやっている。工場の現場にもリーンスタートアップが入り込んでいる。
今後GEがどうなるのか目を離せないな。

基本のデータベースにRDBMSではなくグラフDBを使っているとのこと。
これ読んで思ったけれど、自分が参画しているサービスでも利用が可能だなって思った。Titan取り入れてみよう。

しっかし、自分が業界に入ったときは、しきりに「アウトソーシング」が叫ばれていたけどそれが今や時代遅れ。
ナレッジがたまらないアウトソーシングではなく「インソーシング」という流れになっている。
ほんと変化に許容できるのって大事だな。