エンジニアこそ「カスタマーサクセス」を意識しよう

エンジニアは開発することが仕事だけれども、 開発するシステムは当然使う人がいる。
使う人のことを考えずに設計・実装してしまうと、使う人はシステムの利用にストレスを感じて使うのをやめてしまうかもしれない。使う人、すなわちユーザーのことを考えずにシステムを作ると誰も幸せにならないものができあがる。
作り手としてそれは避けたい。

ではユーザーにシステムを使い続けてもらうためにはどうしたらいいのだろうか。そのヒントになるかと思い『カスタマーサクセスとは何か』という本を読んでみた。

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本書によると、インターネットの発達した現代では前時代的な「モノの売り切りモデル」では成功できず、継続した利用が前提の「リテンションモデル」じゃないと成功できないようになったとのこと。
「モノの売り切りモデル」だと商品・サービスを売ってしまったらあとはおしまい。売る前(成約)にいたる前のマーケティング・サポートに全力を注げ、というモデルである。
「リテンションモデル」は成約後も継続的に利用してもらうことでLTVを最大化させるモデル。売った後も継続的に長く利用してもらう(リテンションしてもらう)ことにマーケティング・サポートに全力を注げ、というモデルである。
サブスクリプションのSaaSがいい例だ。

インターネットの発達でカスタマーはモノについての情報を手に入れやすくなった。売ったもの、売るものについての評判を誰にでもすぐ知ることができる。
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ティール組織は理想論?

前々から読もうと思っていたが読む機会がなくて積ん読状態になっていた『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』をようやく読んだ。
読むまでティール組織について憧れみたいなものがあったが、現実を見れば見るほど理想論のように思えてくる。現在の自分の状況にうまく落とし込めるかどうか想像しながら読んだけど難しそうだ。

本書の内容を平たくいうと、...

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Sketchをもっと使えるようにするために 『UIデザイナーのためのSketch入門&実践ガイド』を読んで

関わっている案件の一つでUIデザインも手伝うことになったり、新しく作ったライブラリのサイトのデザインをカッコよくしたいなと思ってたりで、UI周りは今までちょろっとSketchを使っていたけれどしっかり使えるようにするためにもSketchの本を読んでみた。

Sketchは英語メニューということもあり、それぞれのメニューはどういったものなのかを詳しくひとつずつ説明しており、英語という理由でSketchを敬遠してる人にとってはうれしいかもしれない。本書の半分くらいをメニューの説明にあてていると思うくらい手厚い。

しかし自分にとっては英語メニューで慣れてしまっているので流し読み。
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エンジニアとアドテクノロジー 『アドテクノロジーの教科書』を読んで

サービスをグロースするためにはどうしたらいいんだろう?
ユーザビリティを検証して使いやすいように修正したりABテストをしてユーザビリティの向上をはかるとかSNSを利用して拡散させるとか、広告費をぶっこむとか、BtoBなら営業に物言わすとか、やり方はいろいろある。
そしてそれらを組み合わせるのが一般的だと思う。

広告をどう利用するか、というところに興味があったので本屋に並んでいた本書をたまたま手にとって読んでみたところいい感じだったので即購入。

けれども買ってからまとまった時間が取れなかったりして読了まで半年以上かかってしまった…

とてもよい本だった。
アドテクノロジーの歴史から説明しており、それぞれの年代(2000年代後半くらいから)でアドテクノロジーがどのような課題を抱えていてどのような手段で解決してきたかが記載されていて単純に読み物として面白かった。
普段あまり広告を意識しなかったけれども広告の裏側を知って、ああなるほどだからこうなるのかー、とエンジニア視点で納得した。
今後色々なWeb広告の形式が出てくることとか想像すると胸熱。

そういった裏側がみえてくるとWeb広告というものが今まで以上に面白くみえてきた気がする。広告のクリエイティブとか、枠とか、リターゲッティングとか。想像を巡らせると面白い。
あと、巻末の用語集が地味に良い。勉強になる。用語集だけで10回以上は読んだかもしれない。

アドテクノロジーに関わるエンジニアは読むとためになるし、そうでなくともサービスを開発者はアドテクノロジーをどう使うかということも考えるべきなので読むとためになる。
広告の運用とか開発者がやらなくてもいいよねーじゃなくて読んでみるのをオススメする。気づきがあるよ。

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『RUNNING LEAN 実践リーンスタートアップ』を読んだ

『RUNNING LEAN 実践リーンスタートアップ』を読んだ。
リーンスタートアップというものを知ってはいたけれど、それを実践させる場合はどうするんだろう?と思って本書を読んだ。
読んで思ったのは「なんでこの本をもっと早く読まなかったのか?」ということ。起業を考えているエンジニアは絶対読んだほうがいい。
起業を考えていなくとも、スタートアップで働くエンジニアやマネージャでもあるエンジニアは読んだほうがいい。 自分の読んだ技術書ランキングで「リーダブルコード」と比肩しうるくらいの良い本。

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ランニングリーンとは「リソースを使い切る前にうまくいくプランに反復的に接近していくやり方」である。
そのため、いかに無駄を省きながら最大の効果をあげるか、ということに価値を置いている。

そうするためにこうしたらよいという手法を本書では提示している。

  • 顧客が必要とするMVP(実用最小限の製品)を作るやり方
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『SCRUM BOOTCAMP THE BOOK』を読んだ

『SCRUM BOOTCAMP THE BOOK』を読んだ。
今までスクラムについて知っていたけれども、本格的にやったことがなかったので細かいところまでは知らなかった。

現在のプロジェクトで思ったより進捗が出ていない現実があって、パフォーマンスを最大化したいためにやり方を考えていたんだけれど、 スクラムだと開発者にスプリントでの成果物をコミットメントをさせられる(強制ではない)ので、 現状の進捗があがらないのを解決できるのではないか、と思ってチームに提言してみた。
コードを書くだけでなくマネジメントも期待されているらしいのでやってみることに。 とはいえ、必然的にスクラムマスターも自分がやることになってふと気づくと、オレ仕事増えとるやないけ!という感じなのだがそこはグッとこらえる。
プロダクトが成功するならそれでよしなのだから。

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読んだのだが非常に読みやすいしわかりやすい。サクサク読める。
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変化を厭わず学び続けよう - 『GE 巨人の復活 - シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦』を読んだ

『GE 巨人の復活 - シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦』を読んだ。
この本はビジネス書だけれどもエンジニアやデザイナー・プロダクトマネージャ、経営幹部にもぜひ読んでもらいたい本。
こちらの本も会社の人に勧められて読んだのだけれど、とても参考になった。感謝。

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本の内容だけれど、エンジニア界隈の話題を追っかけている人なら、「ああそんなの知ってるよ」ということが多く感じると思う。
シリコンバレーのディシプリンである「リーンスタートアップ」「デザイン思考」「アジャイル開発」についてはだいたい知っていた。アジャイル開発なんてエンジニアにとっては今や常識。
新たな気づきはそれほどなかったといえば嘘ではない。けれどGEについては自分にとってはあまり馴染みがなく、 古い企業だからどうせ古臭いやり方でやってるんだろ?SIerみたいな身動きが取りづらい枠組みでやっているんだろ?というように思っていたのが見事に打ち砕かれた。GEかなりモダン。

GEのすごいところは文化。
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人生の3分の1の睡眠を最高のものにして残りの3分の2も最高のものにする - 『スタンフォード式最高の睡眠』を読んだ

『スタンフォード式最高の睡眠』を読んだ。
本書はビジネス書だけれどもエンジニアにもぜひ勧めたい良書。
会社の人に勧められて読んだけれどとてもよかった。感謝。
人生の3分の1を占める睡眠を最高のものにすることによって残りの3分の2も最高にするというアイディアは目から鱗だった。
考えれば当たり前なんだけれど、けっこう睡眠をないがしろにして働いたり勉強したりしているのでちょっとこれからは考えを改めたいと思う。

stanford-method-sleep-book

本のカバーデザインもいいね。コピーもよく考えられていると思う。
最近は技術書ばかり読んでいたのでデザインがしょぼいのもさして気にならなかったけれど、こういうビジネス書は「売れるように」細部まで考えられているな。アクセントカラーの水色も睡眠をイメージする色にあっている。
そして技術書の読みづらさといったら!

ビジネス書は読みやすいし頭をそれほど使わずとも読める。スラスラ読める。気軽に読めるくらい心理的ハードルは低い。
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強制的にPHPを勉強するためにやっていたこと

勉強ってやり始めるまでが大変。
じゃあ強制的に勉強する環境を作ってみよう、と思い立って過去いろいろやってみたことを記す。

PHP.netをWebスクレイピングしたものを音声ファイルにしてBGMとするとか、 Chromeで新しいタブを開いたらPHP.netの関数のリファレンスページを開くChrome拡張機能を作ったりとか、 Chromeのプッシュ通知機能を利用して定期的に関数のランダムで通知するChrome拡張機能を作ったりとか、 いろいろやった。

PHP.netをBGMとしたのはQiitaにもあるので、 今回はその一環で作ったChrome拡張機能について紹介しようと思う。

newtab-php-functions

新しいタブを開くと、PHP.netの関数のリファレンスページをランダムで開くChrome拡張機能で、 日常的に新しいタブはどんどん開かれるので、PHPの関数を強制的に目にする機会を増やして覚えようという作戦。
こんな感じ。

newtab-php-functions

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Windowsマシンのキーボードとキーバインド

久しぶりにWindowsで開発している。
開発といっても本気で開発するのではなく、過去に作成したコードを拾い上げるために環境を整えている。

普段はBluetoothの小さいキーボードを接続している。
ブラウザからキーを入力するだけなのでそれで問題なかったのだが、コードを触るならもっと触りやすいキーボードを使いたい。 キータッチが軽くキーストロークも浅い。
自分の好みはキータッチが多少ありストロークも深いしっかりしたキーボードじゃないとタイピングしていて気持ち良くないのだ。

以前使っていたHHKB Lite2を引っ張り出してきた。
WindowsでもHHKB Lite2を使っている。
このキーボードじゃないとダメだ。 Escキーの位置が近いこのキーボードじゃないとダメなんだ。

Win用のHHKB Lite2は2個ある。
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